愛媛大学 フランス学習支援サイト

  • 日本語

近年の卒論テーマ

soutenance近年の卒論テーマおよび要旨です。テーマ選択は自由ですが、多少なりともフランス語の文献を用いることが条件です。これらの卒論は柳研究室に保管されており、閲覧も可能ですから、興味を持たれたかたはお申し出ください。

M.K.さん:Le coq gaulois ── フランスの象徴「雄鶏」の位置づけについて

フランスの象徴として古くから用いられてきた「ガリアの雄鶏」について、その起源や歴史をたどり、雄鶏が象徴として選ばれた経緯や、そこに込められた意味を検証した。さらに詩のなかに登場する雄鶏、建築物の装飾として用いられている雄鶏、各種エンブレムや国璽に描かれる雄鶏などに着目し、それぞれの背景や込められたメッセージの分析を通して、同じ雄鶏でも時代や状況により異なる姿で描かれている理由について考察した。

Y.M.さん:フランスにおける高等教育の変遷 ── 大学改革の文化系学部への影響を中心に

EU全体で推進されたリスボン戦略とボローニャ・プロセスに関連してフランスで行われた大学改革の結果、大学の大衆化や大学での職業教育の強化が進められていった経緯とその現状・影響について検証し、国際的競争力の向上を目標とする近年の動向や、残された課題を明らかにした。これらを元に、日本の大学改革についても調査し、彼我に共通する課題や独自の問題を、国立大学に学ぶ者の視点から検討した。

K.S.君:フランスにおける Manga 人気の現状と将来

フランスで日本のマンガやアニメが人気を博している現状を、出版部数などのデータから具体的に検証するとともに、これらのサブカルチャーがいかに受容されてきたかを調査し、アニメ人気の隆盛と衰退、アニメに変わるマンガ市場の発展と今後の展望について考察した。さらに、毎年パリ郊外で開催され多くの入場者を集めている「ジャパンエキスポ」に着目し、その規模の拡大と成功の要因、日本のマンガ・アニメ人気拡大への影響について分析した。。

M.T.さん:パリの舞台性を探る ── 文学作品が形成する都市のイメージ

古くから作品の舞台に設定されてきたパリの特性を、その生成から大改革に至る歴史から洗い出し、他に類を見ない「舞台性」を備えていることを明らかにした。また、単にひとつの都市として、あるいは首都または地方に対する都会としてパリが描かれてきた時代と、パリの特性ゆえに舞台として選ばれるようになった時代との境界をなす19世紀の小説のなかから幾つか選び出し、パリがいかに描かれ、いかなる役割を作中で担っているのかを検討した。

N.K.さん:フランス女性の結婚観 ── PACS 法の導入をめぐって

1999年に施行され、フランスにおけるカップルの選択肢として従来の法律婚に比肩するまでに広く浸透した「民事連帯協約」すなわち PACS について、法案が生まれた背景から、締結により生じる具体的な権利や義務までを詳しく調査し、PACS締結によるメリットとデメリットを明らかにした。さらに、先進国のなかで突出した出生率や社会進出など、フランスの女性たちをとりまく現状をふまえ、PACS導入が女性たちの価値観に与えた影響を推論した。

A.O.さん:マリー・アントワネットの服飾文化における功績

マリー・アントワネットが負ってきた浪費家のイメージの原因ともなった華麗な衣裳や、フランス王家の伝統に反する言動の背景を考え、当時の出版物や同時代人の残した記録などを参照しつつ、女性として、外国人として差別される境遇にあった王妃の境遇と、結果的にフランス文化の重要な要素となる服飾文化の担い手としてのその功績を確認した。さらにマリー・アントワネット処刑後の歴史もふまえ、フランス文化への彼女の貢献を改めて検証した。

A.T.さん:« le petit prince » はなぜ「星の王子さま」と訳されたのか

近年まで唯一の邦訳として親しまれてきた内藤灌による『星の王子さま』のタイトルがなぜ原題とは異なるのかという疑問を出発点に、翻訳とは何を伝えようとする行為なのか、逐語訳と翻訳の違いは何であるのかという点に着目しつつ論考を加えた。原書と内藤訳との比較から、逐語訳ができない、または逐語訳が選ばれない表現や、語り手による王子への呼称と心的距離の変化などを抽出し、内藤訳に見られる特徴や工夫の数々を検証した。

T.Y.さん:批評家としてのボードレール

ボードレールがドラクロワの絵画に強い共感を示したことに着目し、新古典主義からロマン派へと移行するなかでの美術批評の変遷の歴史をたどりつつ、その評論の特質を明らかにした。さらに、詩人にして美術批評家であるというボードレールの特性に焦点をあて、よく似た立場にあったテオフィル・ゴーチエとの比較によってその独自性を探り、ドラクロワの作品と通底する芸術的信念がボードレールの著作に認められることを確認した。

N.S.さん:『レ・ミゼラブル』の魅力を探る ── 原作とミュージカルの比較研究

ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』とこれを翻案した同名のミュージカルについて、作品成立の背景や作者の意図、人物設定などを比較検討し、困難に思われる大河小説の舞台化が、記録的ロングランとなる成功を収めた要因を探った。さらにミュージカルという芸術の特徴を踏まえた作品の分析を通して、製作者がユゴーのメッセージを細部に至るまで忠実に再現しようと努め、主に観客の感性に訴えることによって成功に至る過程を示した。

R.K.君:フランス人にとってのサッカー ── 許されたジダン、許されなかったアンリ

サッカーという競技の特徴やワールドカップの意義を考察し、フランスでの試合の集客率、リーグ・アンの特徴などを他国との比較を交えて分析することにより、フランス人にとってサッカーとはいかなるスポーツであるのかを論じた。さらに、近年のフランス代表チームの花形選手ジダンとアンリとが引き起こした事件と、それに対する国民の反応、メディアの報道に注目し、同国の「サッカー文化」の特徴を裏づけるものとして論証した。

H.T.さん:フランスの魔女をめぐる物語 ── 歴史的背景からジブリ作品の受容まで

主に児童むけのフランス起源の物語に登場する、魔法を駆使する登場人物について、「魔女」と「妖精」の差異に着目し、それぞれの描写や性格づけを分析した。特に「魔女」については、ミシュレの著書等をもとに中世以来の魔女裁判や魔女狩りの歴史をたどり、物語の読者が抱くイメージとの繋がりを推論した。さらに、ジブリアニメに登場する「魔女」について論考を加え、これが魔女狩りの歴史を持つ国で受容された原因を推察した。

A.M.さん:パリの特性を探る ──『ゴリオ爺さん』の時代から現代へ

バルザック『ゴリオ爺さん』の舞台としてのパリに着目し、実在した幾つかの地名や界隈が、登場人物たちの憧れや野心をかきたて、物語の重要な背景を形成していることを確認した。さらに、当時のパリから現代の「光の都」へと変貌を遂げる転機となった「オスマンの大改革」について論考を加えることにより、パリの特性と世界中の人々を惹きつける魅力とが何を基盤としているのかを、日本の都市との比較を交えつつ多角的に検証した。

M.O.さん:セーヴル窯の研究 ── その特徴と発展過程に関する考察

フランス国立セーヴル製陶所の歴史を辿りつつ、その特徴を探り、2つの隆盛期をもたらしたポンパドゥール夫人とナポレオンの寄与について論考を加えることにより、為政者の庇護を受けて宮廷文化を如実に反映したセーヴル製陶所の作品が、フランス文化の精髄というべき芸術性を備えるに至った事情を確認した。さらに茶道を通して日本の茶碗に触れてきた実体験をもとに、陶磁器をめぐるヨーロッパと東洋との感性の違いを検証した。

I.K.君:ロートレアモン『マルドロールの歌』研究

ロートレアモンの散文詩『マルドロールの歌』(1869年)について、インスピレーションの源となった人物と作者との関係、随所に見られる残酷な描写や、草稿と完成稿との差異などに着目し、創作の背景を探った。テクストの分析から、作者にとって15歳という年齢が特権的なものであったことを確認し、大人へと成長することなく少年のままに留まることのできる夢の世界として『マルドロールの歌』を解釈しうる可能性を示した。

PAGE TOP